第五章 疲労対局による問題点と解決法
(第1図) |
【疲れやすい今日この頃】 「疲れ」について少々語ろう。 これは対局の勝敗を非常に大きく左右する要素だと最近特に強く実感しているところで、作者が前々から取り上げたいと思っていたテーマのひとつだ。まぁ将棋に限らず最近何をやっても疲れやすくて、気になるテーマなのですが・・・ 作者なりに「疲れ」について解き明かし、問題点を明確化し、その解決法に至るまで導いていければと思う。疲れないように気軽に読んでほしい(^^; 第1図をご覧いただきたい。これは初心者に時折見かける「うっかり」の局面。見てのとおり角がタダであり、この将棋はすでに終わりだ(T_T) しかし、第1図は極端な例だが、これに類するミスは初心者に限らず上級者もやってしまう。なぜこんなことが起こるのだろう? いろいろと考えられる。酔っ払っているのかも知れないし、考え事をしていたのかも知れない。勿論、単なるポカなのかも知れない。いづれにせよこのようなミスをするときは、集中力が欠如している。そして、その大きな原因のひとつとして「疲れている」ことが挙げられる。 |
【ネット将棋の魅力】 話しは変わるが・・・ ネット将棋は手軽である。24時間対局相手に困らない。見知らぬ無数の対局相手が常時スタンバイして「待ってくれている」。ほっほっほ。指したいときにいつでも指せる!これはかなり魅力的だ。 そして、レーティングにより自分の棋力が客観的に判断できる。自分の成長が数値で明確化されることは楽しく、向上心が維持されやすい。 しかし、モチベーションが持続することから中毒性が高く注意がやや必要だ。 そして・・・ |
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【連鎖的泥沼化】 対局で悔しい負けを喫してしまったときなど、間髪いれずに次の対局をはじめてしまうことが往々にしてある。 やめればいいのにやめられず勝ちを求めて連続して対局してしまう。 ・・・疲れているにもかかわらず(T_T) 疲れているときの対局は「読み」が【遅く】【浅く】【不正確】である。「手」もよく見えない。 また、仕掛けを急ぎがちである。安易に大駒を切ってしまうなどの無理攻めが多く、大胆に攻めを敢行するものの、いい加減な読みによるものが多い。 要するにじっくり指すことができにくくなっている状態なのだ。 また、負けると「熱く」なり、勝ちを求めてさらに対局してしまうこと度々である。 しかし、対局を重ねるごとにさらに疲労が増し、勝てなくなるものだ。 悲しいかな、このようなときほど勝ちの快感を一時的ではあるが強く欲してしまう。悲痛。 う〜む、実に皮肉なものである(^^; |
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【中毒】 これを「勝利中毒(対局中毒)」と呼ぶ。悪循環の典型だ。 このような状態のときほど、短時間で容易に大きくレーティング(R50〜200点)を落としてしまいがちである。 いづれ疲労困憊し対局をやめる(やめざるを得ない)わけだが、当然に不機嫌である。 ときに自己嫌悪にも陥るし、なにより痛いことは疲労しきっていることである。 頭が朦朧とし何もできないこともしばしばある(T_T) 年齢にもよるがそのようなことを繰り返していると、疲労が蓄積され回復に数時間あるいは翌日以降にまで及ぶ。 将棋を趣味とする勤労者や学生にとってこのような事態は回避しなければなるまい。 |
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【疲労対局のデメリット】 疲れているときの対局について、整理してみよう。 まず以下のようなデメリットがある。 1.単なる時間の無駄 疲れているときの対局にはあまり意味がない。 なぜならこのような状態では読みの力が養われることはなく棋力が身に付かない。棋力が向上しない対局は時間がもったいないのだ。 また、疲労が増すことで他のこともできなくなってしまう。暇つぶしという考え方もあるが(^^; 疲れているときは普通に静養するのがよろしい。 2.ストレスの増加 勝ちを求めて対局しているにもかかわらず、敗局を重ねることでイライラが増幅。 ときに発狂しそうになってしまうことも(ノToT)ノ ┫:・'.::・┻┻:・'.::・ 負けることに加えてR点が落ちてしまうことにも一因する。 3.実生活への悪影響 ・・・実はこれが一番怖い。 疲労が蓄積してしまうと仕事や学業に差し障る。 そればかりか家庭や友人関係(人間関係)に影響することも。ひぃ〜。程度を越すと身体そのものを壊すことにも。 「結論」 疲労状態での真剣対局はしないほうが良い。 連続対局はできるだけ避け、対局後はある程度休憩したほうが良い。 余談だが「詰め将棋」「次の一手」等を解きまくった後もかなり疲れているので、対局しても負ける可能性が高く避けたほうが良い。テンションが高まっているのでつい指したくなるがそれはワナである(笑) |
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【疲労対局時の症状】 また、疲労しているときの対局には以下のような症状があらわれやすい。 1.時間切れ 優劣にかかわらず時間切れで負けることが多くなる。 早指し対局では特に顕著である。 読みのスピードが遅くなっているので時間が足りなくなっていることが原因。 疲労のバロメーターとして、「時間切れ負け=疲れている」と判断してもいいぐらいだ。 ただし、決断力のないひとは疲れていなくとも時間切れしやすいので一概にはいえないが。 2.見落とし 相手の利き(角筋等)に駒を打って意味なくタダで取られてしまったりあるいは王手放置などの単純ミスが増える。 疲れていると注意力が散漫になっており、また集中力も欠けている。 対局中に別のことを考えていることも。上(うわ)の空と言うか・・・ 3.クリックミス マウス操作のミスもやや増加する(かもしれない)。 ただし、これは疲れていなくても時間に追われているときに生じやすい。 |
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【解決法・・・】 以上のように疲労時の対局にはいろいろな問題が生じる。 では、どうしたらいいものか・・・ 将棋で疲れてしまうことがないように次のような取り決めをしておくのはどうだろうか。 例えば「負けたらその日はもう指さない」「一週間三局まで」など、あらかじめ制限しておくというものだ。 しかし、その取り決めを守ることそのものが難しく、このような方法では得てして根本的には解決できないものである。 所詮、ノルマを課す方法で物事を解決できるのは強靭な精神力を持った者に限られる。 さて、ではどうしたら良いものか・・・具体の解決法は皆さん個々人がすでにご存知のとおりである。要するに肝心なことは解決しようとする気持ちが本当にあるかどうかである。(ということにしておきましょうm(_ _)m) 実は変に気張って取り組まずとも自然と解消していることが多い。また、「疲れ」というものを知ることによっても自然と解決していくものである。チャン!チャン!ってことで(^^; |
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(最後に一言) 最後まで読んでいただきありがとうございました。将棋に限らずどんなことでも一時期、寝食忘れて強烈にハマってしまう『こと』があります。それは楽しいことです。しかし、同時にそこにはワナも存在し得ます。ですが、何事も自己制御がうまくできれば乗り越えることができます。まぁ、それが簡単にできれば苦労しないのですが・・・(^^; 将棋を含めどんなことでも程よく付き合っていきたいものです。 では、ごきげんよ〜♪また会う日まで〜♪ |